夜は酒を飲む。ビールにトマトジュースに塩にタバスコを入れたのを飲む。これが大変おいしくてお気に入り。唇が赤くなってひりひりして、乾燥してすこし裂けている口の端にしみる。今日はサイゼリヤで文庫本を一冊読んだ。小川洋子の「海」。明日フォレストカーターのリトル・トリーを読んだらあさって春樹のめくらやなぎと眠る女を読む。
また1日に本を一冊くらい読むペースになってきた。お金がかかってしょうがない。気に入った洋服を見つけて、気になる本を見つけて、どっちを買うか迷って結局本を買う。だんだんみすぼらしくなってきたけど(痩せて顔色は悪いし服もシワだらけだし猫の毛がついているし)心はどんどん豊かになっている。。。ということにしよう。そうしよう。だって毎日絵を描いて本を読んでいるんだから、きっとそう。。。でもないけど。
本を読んでいるとき、わたしはその本の中にぐーっと入っていって、はっと気付くともう読み終わっていて時間だけ過ぎていて、体の中を風がびゅうびゅう吹いてそれでその風がやんだみたいな感じがしてあとには何も残らないけど、その風が吹いているその中にたしかにいたのに、いなかったような気がする。とー。どうしてこんなに本を読むのが好きなのに、わたしはうまくそれを言葉にできないのだろうと思う。それだけじゃなく、いろいろなことをうまく言えない。小さい頃は言語の世界にいなかったのでまわりがぼやぼやした頼りないもので、この気持ちをあらわすのに、どうやったらいいんだろうと、いつも途方に暮れていた気がする。絵を描くにしても本を読むにしても、そのあたりの頼りない途方に暮れた感覚が大事なところだと思うんだけど、どうだろう。
私ははっきり言うと、口から先に生まれてきたような(!)お喋りで、だいたいいつもほがらかで、よく笑うんだけど、自分ではすごく暗いと思っている。でもそれって自分じゃなく他人が判断することだよねー。そもそも、明るくて元気な子!っていう、能天気でパーな感じっていうほうが、暗い、より、ずっといい。