花畑に行くと、匂いを嗅ぐのは恒例だが、たまに花のくせに臭いのもあって、そういうときのくわぁ〜っという感じ、花のくせにというか、頭の中ではいい匂いを想像していて、そのいい匂いを存分に嗅いでやろうという勢いがあるので、臭いとほんとうに不意打ちをくらったような気持ちになる。とくに臭いのが多いのは菊系で(菊系という言葉があるのかは知らんが)菊っぽい形でこちらが臭いかもな、と思いながらおそるおそる嗅いだ花がわりかしいい匂いだと、ほっとするというか嬉しい気持ちはあるにはあるが、想像したのと違うあれっといった感じだ。葬式の花というイメージもあって、菊はそんなに好きではないけれど、嫌いではない。紫の花びらで真ん中が黄色の菊、なんて言う名前かわからないけど、あれはさっぱりした威勢のいい花だと思うし、まんまるの(円ではなくて球体の)菊、これもなんていう名前かはわからないけど、かわいらしい花だと思う。私はだいたいにおいて花は好きだが、パンジーだけは好きになれない。あの白いプランターに似合う安っぽい感じと、薄っぺらいくせにどぎつい色の花びらと、犬の顔みたいな見てくれは好きにはなれない。あとあじさいは好きだが、あの葉っぱはどうも好きになれない。どかっとしたような「おうおう」と威張り散らしたような濃い緑とあのぎざぎざして丈夫そうな感じは、花の中でもひときわ異彩を放つ。