我が家のお隣さんが外で飼っている猫はしゃくれている。
どうやらかなり年配の猫のようで歯が殆ど無い。
フガフガ何かを訴えるその口を覗くとグラグラになった歯が見える。
そのグラっとした歯が上顎からのぞき、なんとも間抜けな表情をしている。
「しゃくれ」と名付けこっそり呼んでいる。
しゃくれは意外とお盛んで、年下のボーイフレンドにウッフン寄りかかる。
そのボーイフレンドがまた不器量で茶色の毛(元は黒かったのだろうと思える赤茶、
雨ざらしになり風に吹かれて色あせた)の卑屈そうな顔の猫なのだ。
人間に置き換えたらそのまま三文小説の設定のよう。
色々な人間がいて、色々な猫もいます。