「よ、おれ カンタロウ よろしくな これから おまえの耳をびゅーびゅー
言わせちゃう おれは だって なんてったってカンタロウだから」
外に出るとそんな声がどこからか聞こえてくるようです。
私は耳が弱点なのです。とてもとても痛くなる。
だから この季節は 耳を体の中にしまってしまいたい。
できることならね。
根っからの冷え性で、末端が冷えて冷えて 仕様がない。
今日は登校中、木の実を見つけて 思わず食べた おおう 渋いったらないぜ。
まるでブドウみたいな木の実はうんと渋くて ぺっと 吐きだした。
ブドウみたい ブルーベリーみたい って思ったって
食べられないものもあるんだな 一つ学んだ。
カンタロウはその時も私の頭上で頬を膨らませ冷たい息を吹いていた。
あっちいけよ どっかいけよ このばか